銀製品の手入れ
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銀の魅力と、銀製品のお手入れについて
右のイラストは、アイルランド神話より、銀の腕のヌアダ。("Nuada Airgedlamh" or "Nuada of the Silver Arm" by Jim Fitzpatrick, The Silver Arm, 1981.)ダーナ神族の剣の王ヌアダは、アイルランドに先住していた巨人族との戦いで片腕を切り落とされ、いったんは王者の資格を失うが、医と技芸の神ディアンケットが作った銀の腕を得て、タラの丘で再び王位に就いた。 スターリングシルバー(シルバー925とも言う)の歴史は古く中世ヨーロッパに遡り、12世紀に英国で装飾品や銀貨(スターリングコイン)の標準品位として認定された銀素材です。銀92.5%に、銅と、わずかなアルミニウムなどを混ぜた銀銅合金で、装飾品や銀貨に最も適した硬さを出したものです。一生どころか代々の財産としてお持ちいただけますが、プラチナのように放っておいてよいというものではありません。銀は空気に触れて化学変化を起こしやすい金属です。欧米では、年に一度クリスマス前に、家じゅうの銀食器や銀製品を磨くのが、伝統的な家庭行事になっているそうです。 銀が黒ずむのは、化学用語で言うと酸化(サビ)ではなく硫化だそうです。空気中の硫化水素や水分中の二酸化硫黄と反応して、表面に硫化銀が生じるのです。特に日本は火山国のためか、全く同じに作られた銀製品でも、ヨーロッパよりも早く黒ずんでしまいます。ただ、銀の硫化の場合、鉄の酸化のように中までボロボロになってしまうことはありませんから、たとえ何百年も放っておかれて、どんなに真っ黒に変色してしまった銀でも、正しく手入れすれば元の輝きを取り戻すことができるのだそうです。 銀の黒ずみを予防するには銀のアクセサリーを身に着けたまま、硫黄泉の温泉に入ると、たちどころに黒紫色に変色しますので、必ず外して、温泉水や湯気に当たらないように保管してください。また、輪ゴムには硫黄分が多く含まれていますので、アクセサリーや銀食器などを輪ゴムで束ねることは、絶対になさらないでください。ポリ袋やラップで包んだ上から輪ゴムで束ねることもダメです。ポリエチレンは硫黄分を透過させてしまいます。ですが万一失敗し変色させてしまっても、少し投資して適切なメンテナンス用品を購入し、正しく手入れすれば、元に戻すことが可能です。
ボウディッカでは、ハガティ社という宝飾メンテナンス用品専門メーカーの銀磨きを使用しています。ハガティは世界一のシェアを誇る輸入品ですが、日本製や他国製の銀磨きも出回っています。普段の予防的なお手入れには、「ハガティ・シルバーダスター」「ハガティ・ジュエリークロス」などで十分でしょう。ダスターやクロスは洗濯すると薬効が消えますので、使い古して真っ黒になりましたら、新しくお買い求めください。ハガティのダスターやクロスは、シルバー・プレイト(銀めっき製品)やつや消し、マット仕上げのアクセサリーにも安心してご使用いただけます。「万能金属磨き」とうたった製品が売っていたり、雑誌などには「歯磨き粉でも磨ける」と書いてあったりしますが、それらは研磨剤効果が強すぎ、表面に細かな傷をつけて曇らせてしまったり、つや消し・マット仕上げの場合はマット処理を削り落としてしまう危険があります。また、宝石や真珠などの付いたアクセサリーは、メンテナンス用品の選択に特別の配慮が必要です。石付きのアクセサリーには、専門知識のある宝飾店スタッフに、正しいメンテナンス用品を選んでもらってください。 銀の変色防止剤として有効なのは現在のところ、ハガティ社が発明し特許を持つR-22という成分が良いようです。半年~1年間お手入れ無用の変色予防効果を期待される方には、R-22を配合した「ハガティ・シルバースプレー」のご使用をお勧めします。もし他社の変色防止剤で成分にトリクロロエチレンが含まれる製品を店頭でご覧になったら、購入なさらないようご忠告申し上げます。光に当たると黒化反応を起こして症状を悪化させるうえ、トリクロロエチレンは揮発性の発ガン物質です。その点油性のR-22は、直接口に入れるスプーン等の銀食器にも安心してお使いいただけます。
銀が黒ずんでしまったら上述のハガティ・ジュエリークロスなどで擦れば、彫刻や透かし彫りの中まで黒ずみを取り除くのは難しいのですが、表面の輝きはかなり取り戻せるうえ、銀本来の味わいが加わりますので、ぜひお試しください。新品同様に蘇らせる方法もあります。デパートや宝飾店、東急ハンズ等で「ハガティ・シルバークリーン」という商品をお買い求めください。これは表面の硫化銀膜を除去する液体状の化学薬品で、黒ずみの出た銀製アクセサリーを木綿糸などで吊り下げて容器の液体に沈めて5~10秒(化学反応で硫黄のような臭いがしてきます)で引き上げ、水道水で洗って水気をよく拭き取り、あとはつやが出るまでハガティ・シルバーダスターで磨くのです。硫化銀の黒ずみは消えてまるで魔法のように元通りになります。酸化や複合的な化学変化による変色は完全に元通りにならないかも知れませんが、一度お試しください。ハガティ・シルバークリーンは箱の中の説明書をよくお読みになり、正しくご使用ください。ハガティ・シルバークリーンは銀製品(スターリングシルバーおよび銀めっき)専用で、石付きのものや金製品には使用できません。石付きのものや金製品には「ハガティ・ジュエルクリーン」という別の製品をお使いください。
ある日本人のお客様に「20年前にアイルランドで買って来てから、この指にはめっぱなし」という銀のクラダーリングを見せていただいたことがありますが、落ち着きのある輝きに驚かされました。銀のアクセサリーはずっと身に着けていれば、いやな変色が不思議と生じないもののようです。衣服等との摩擦で日常的に磨かれるからかもしれません。それでもご使用後は、汗や汚れなどを布で拭き取ってください。常時お肌に直接触れている面に、境界のはっきりした染みが出ることがありますが、これは「めっきが剥げた」のではなく、やはり変色なのです。汗などの成分が作用して、硫化だけではない複合的な化学変化を起こしている可能性があります。 これは個人のお好み次第ですが、銀製品は、新品同様の輝きよりも、むしろ歳月を経たアンティークのような風合いもまた、お楽しみのひとつではないでしょうか。 宝石箱にご用心宝石箱(ジュエリーボックス、ジュエリーケース)は貴金属の保管専用なのだから、また、メーカーオリジナルの箱なのだから…と油断していると、久しぶりに開けてみたら、銀製品は真っ黒、ゴールドも赤焼け…という事態が起きないとは限りません。箱の内貼りの接着に使用されたゴム系ボンド(多くの場合は黄色い)が硫化ガスを発生し、銀の黒ずみの原因になっている可能性があります。宝石箱の中の銀の黒ずみが早いと感じたら、宝石箱自体を疑ってみてください。チェーンペンダント用の銀製チェーンは、いったん黒ずませてしまうと、元どおりの輝きを取り戻すことは、ハガティ・シルバークリーン等を使ってもなお、素人にはなかなか難しいようです。デザインがユニークだったりチェーンそのものに価値や愛着がある場合は別として、安いチェーンは使い捨てと割り切っていただく方が(リサイクル精神には反しますが)コスト的にはリーズナブルかと思います。ボウディッカでは銀製ペンダントをお買い上げのお客様に対するアフターケアとして、買い換え用チェーンをご用意しております。必要な方はここをクリックしてご覧ください。いぶし銀のお手入れいぶし銀仕上げとは、デザインに凹凸のある銀のアクセサリー等で、凹んだ部分が黒く、より立体的な視角効果のあるもののことです。製作過程で硫化反応させて全体をわざと黒く変色させ、その後、出っぱった部分をバフや銀磨き布で研磨して光沢を出し、凹んだ部分は黒いまま残しておくのです。出っぱった部分の研磨の度合いを控え、全体的にわざと鈍い光り具合にしたものを「古美加工」とも言います。いぶし銀はハガティ・ジュエリークロス等で出っぱった部分だけ磨き、凹んだ部分の黒ずみを落とさないように注意してください。クロスやダスターを手に持って磨くと、手加減したつもりでも意外と深くまで磨けてしまうので、テーブルなどの平らな面にクロスまたはダスターを広げて置き、アクセサリーの方を手に持って擦りつけるようにすると、凹んだ部分は磨かれずに残ります。いぶし銀や古美加工のものは、液体状の薬品を使用しないでください。クロスやダスターでの磨き過ぎも禁物で、お好みの風合いで止めておきましょう。いぶし銀の再生方法以下はハガティジャパンの公式サイトから得た情報です。いぶしが取れてしまった時は、「六一〇ハップ」(ムトウハップ)という硫黄の温泉の素を使っていぶしを付け直すことができます。六一〇ハップは薬局で安く買えるそうです。
より詳しい情報銀製品のお手入れについて、より詳しく知りたい方には、ハガティジャパンの公式サイト(www.hagerty.co.jp)をお薦めします。製品の紹介の他、「Q&A」のページには金銀製品その他のお手入れについての情報があります。現在はヨーロッパの小国リヒテンシュタインに本社があるハガティ社は、世界で最初に近代的銀磨きを発明した老舗メーカーです。偶然にもハガティ家の先祖はアイルランドの地主階級出身で、19世紀半ばのじゃがいも凶作・大飢饉で資産を失いアメリカに移民、ノートルダム大学の創始者のひとりとなった…というハガティ一族の歴史を、ハガティ日本総代理店の社長じきじきに教えてもらえました。(またその日本総代理店社長は偶然にも私と同じ大学の先輩で、かつて学生大使としてアイルランドに行ったことがあるそうです。)ご注意銀のアクセサリーを長時間ご使用になると、皮膚や衣服に黒い汚れが付くことがあります。ボリュームのある銀製(スターリングシルバーおよび銀めっき)のネックレス、ペンダント、ブローチ等は、なるべく黒っぽい衣服でご使用になることをお勧めいたします。ボウディッカが販売するシルバージュエリーの素材は、次の2種類です。
金・銀・プラチナ製品を磨くための、お試し用のミニサイズです。
【試供品プレゼント】 当店通販で金銀ジュエリーをお買い上げの方に、上記ハガティ・ジュエリークロス・ミニを1枚、無料でもれなくプレゼント中です。(ご注文1回につき1枚)
注文するには? ここをクリックしてお読みください。
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