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・はじめに:タラブローチって何?
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Celtic Designsケルティックデザイン史概説 ![]()
この形のブローチは、右のイラスト(黄色い矢印の箇所に注目)のように、ブリテン諸島の古代の王族や騎士たちが多分こんな感じで、分厚くて重量のある毛織物のマントを肩や衿元で留めるのに使っていたのでしょう。(D. Nicolle, Arthur and the Anglo-Saxon Wars, Oxford 1984 より、Angus McBride のイラスト引用。) 本物の「ザ・タラ・ブローチ」The Tara Brooch は、ダブリンにあるアイルランド国立博物館に収蔵展示中の1点のみを指します。このページ冒頭に並べたのはいずれも、アイルランドの郵便切手に描かれた、アイルランド出土の古代~中世初期のアクセサリーの図ですが、一番右の2ポンド切手の図が「ザ・タラ・ブローチ」です。本来は準環状ブローチ(penannular brooch)と言い、アイルランド、スコットランドから北欧にかけての、ケルト語文化圏やスカンディナヴィア文化圏に特有のブローチです。古代から中世にかけて、マントを着た戦士の実用的な要求に応じて、頑丈な針を備えた大きなブローチがさかんに作られ、その意匠は実用性を超えて芸術の域にまで高められました。それらに似せてデザインされたブローチが、19世紀半ばのケルティック・リバイバル以降現在まで、“タラブローチ”と通称され、ケルティックジュエリーやアイリッシュクラフトを語るうえで欠かせないアイテムとなったのです。 以下の小文は、1999年に私自身の手で書き下ろして最初のアップロードをした、ボウディッカ・オリジナルの概説ですが、2001年夏のアイルランド国立博物館訪問、2003年秋のスコットランド旅行時の印象とささやかな研究成果を踏まえて、一部書き直しと追加をしました。 なお、アイルランド史のアウトラインは、各種書籍の他にも、アイルランド大使館サイトの「歴史」ページなどでも短く簡潔に読むことができますので、そちらをご覧ください。
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