IRISH-ON-FILM INDEX
奇跡の海 Breaking the Waves ![]() ![]() ![]() 1996年 デンマーク、オランダ、スウェーデン、フランス 159分 R ラース・フォン・トリアー監督 エミリー・ワトソン ステラン・スカルスゲールド カトリン・カートリッジ ジャン・マルク・バール エイドリアン・ロウリンズ ジョナサン・ハケット サンドラ・ヴォー ウード・キアー フィル・マッコール ロバート・ロバートソン デズモンド・ライリー
1970年頃のスコットランド北部が舞台。神と対話し、教会中心の生活を送る信仰心篤いベス・マクニールがどのようにして外国人で海上油井労働者のヤンと出会ったのかは語られないが、とにかく教会の長老達はよそ者との結婚に懸念を示しながらも2人の結婚を認める。短い新婚生活。ベスは油井に出た夫を早く戻してくれるようにと神に祈る。すると夫は事故で首から下が麻痺の身となってベスのもとに戻って来る。看護に懸命の彼女は自暴自棄の夫の「他の男とセックスしろ」という言葉を真に受けて…。長老派教会の極端な厳格主義が、激しすぎる愛のサーガのお膳立てとなっている。ハンド・カメラによるドラマの動と絵画のように処理された風景の静のコントラストがダイナミックだ。ロケ地はスコットランドのマレイグ、スカイ島のグレンデイル、その他はデンマーク国内。結婚パーティでボブ・ディランの「風に吹かれて」をバグパイプで吹いたりする。男達は遠洋か北海油田に出稼ぎに出るのが当り前というスコットランド北部の過疎の村を舞台にした映画では他に「ローカルヒーロー」があるが、両者はあまりにもトーンが違う。1970年前後の数年間にヒットしたブリティッシュ・ロックが多数挿入され、もうそれだけで涙チョチョギレるほど中年世代には懐かしいです。 お葬式だよ全員集合! Passed Away ![]() ![]() 1992年 アメリカ 96分 チャーリー・ピーターズ監督 ボブ・ホスキンズ ジャック・ウォーデン ウィリアム・L・ピーターセン ヘレン・ロイド・ブリード モーリーン・ステイプルトン パメラ・リード ティム・カリー ピーター・リーガート ブレア・ブラウン パトリック・ブリーン ナンシー・トラヴィス フランシス・マクドーマンド アメリカ東部の地方都市で長年組合長を務めたジャック・スキャンランが急死し、長男ジョニー(ボブ・ホスキンズ)を中心にアイルランド式の本格的な通夜をすることになって親戚一同が大集合。離婚したことを隠している長女や南米で解放の神学(共産主義に傾倒し反政府ゲリラに同情的と言われるカトリックの一派)を実践している尼僧の次女も戻って来、その上誰だかわからない美女まで現われて大混乱。伊丹十三の「お葬式」を真似たとしか思えないが、わりと笑える。労働組合の幹部から政界入りというアイルランド系アメリカ人の出世パターンも頭に入れてから見ると面白い。【マン】 ストリート・オブ・ファイヤー Streets of Fire 1984年 アメリカ 93分 ウォルター・ヒル監督 マイケル・パレ ダイアン・レイン リック・モラニス エイミー・マディガン ウィレム・デフォー デボラ・ヴァン・ヴァルケンバーグ リチャード・ローソン ビル・パクストン リー・ヴィング ロバート・タウンゼンド エリザベス・デイリー マリン・ジャハン 強いアイルランド女というとモーリーン・オハラのような気の強い赤毛女のイメージだが、主人公と「男の友情」を結ぶ武器調達屋マッコイ(エイミー・マディガン)のような女性的要素に全く欠けるタイプは、白人系映画全体の中でも珍しいのではないか。「必殺マグナム」に似たような女が出てくる。【マン】 ディメンシャ13 (旧題:死霊の棲む館) Dementia 13 / The Haunted and the Hunted ![]() ![]() ![]() 1963年 アメリカ 75分 フランシス・フォード・コッポラ監督 ルアナ・アンダーズ ウィリアム・キャンベル バーバラ・ダウリー エーニャ・ダン パトリック・マギー メアリー・ミッチェル デリー・オドノヴァン バート・パットン ロン・ペリー ピーター・リード カール・シャンツァー 卒業制作の「グラマー西部を荒らす」がコッポラのデビュー作ということになっているが、商品としてはこれがデビュー作だ。何でもロジャー・コーマンの助監督として「赤死病の仮面」をアイルランドで撮影している時、自分も何か撮ってみたいと申し出、その場で脚本を書き上げて極めて低予算で撮ったらしい。露出を間違えたんじゃないの?と言いたくなるような暗いモノクロ画面が、アイルランドの古城を舞台にした現代ホラーをゴシック風の趣にしている。名前の知れた俳優はパトリック・マギーぐらいで、「赤死病の仮面」出演中に連れ出されたようだ。【マン】 逃亡者 The Fugitive ![]() 1993年 アメリカ 127分 アンドリュー・デイヴィス監督 ハリソン・フォード トミー・リー・ジョーンズ セラ・ウォード ジュリアンヌ・ムーア ジョー・パントリアーノ ジェレーン・カラブ アンドレアス・カツラス ダニエル・レーバック L・スコット・カルドウェル シカゴに逃げ込んだハリソン・フォードが偶然開催中のセント・パトリックス・デイのパレードの中に紛れ込んでFBIの追跡をかわすシーンがある。【マン】 長い灰色の線 The Long Gray Line ![]() ![]() 1955年 アメリカ 138分 ジョン・フォード監督 タイロン・パワー モーリーン・オハラ ロバート・フランシス ウォード・ボンド ドナルド・クリスプ ベッツィ・パーマー フィル・ケアリー ハリー・ケアリー・Jr ウエストポイント陸軍士官学校に50年間勤務したアイルランドからの移民、マーテイ・マーの自伝に基づくフォードお得意の軍隊もの。第一次大戦、第二次大戦と二つの戦争をはさんでの時代を描いてアメリカ人の愛国心をくすぐる。しかし、ユーモア、人情あふれるエピソードが一杯の感傷的とさえ云える作品。タイロン・パワー扮する主人公は給仕からスタートし、体育教官(W・ボンド)の助手として候補生の教育にあたりその人柄が慕われる。アイルランドから移民してきたメアリー(モーリン・オハラ)との出会い、結婚、故郷から父親と弟を呼び寄せる等多くのシーンでアイルランド人の気質、信仰深さ、こだわり、しきたり等が描かれている。D・クリスプの父親役ははまり役。親子二代にわたっての候補生も多く、彼等が違ったシーンで歌う「マーテイ・マーの歌」は民謡の " Wearin' of the Green "の替え歌であり、その他に体育教官の女中となるためにアメリカに来たメアリーとの出会いには " The Irish Washwoman "が使われている。アメリカンフットボールの試合の場面で「初めて」フォワードパスが使われるところもある。圧巻は最後、5分間にわたってくりひろげられる候補生達のマーチシーンでマーテイが閲兵をするところ。音楽がアイルランド民謡のメドレーで " Wearin' of the Green " " The Irish Washwoman " " The girl I left behind me " " Auld Lang Syne "等。灰色の制服を着た候補生のラインという事からこの映画の題名はつけられた。【野村雅之】 スリーパーズ Sleepers 1996年 アメリカ 152分 R バリー・レヴィンソン監督 ジェイソン・パトリック ブラッド・ピット ロバート・デ・ニーロ ケヴィン・ベーコン ダスティン・ホフマン ミニー・ドライヴァー ヴィットリオ・ガスマン テリー・キニー ジョゼフ・ペリーノ ブラッド・レンフロ ジョナサン・タッカー ジェフリー・ウィグダー 「チェーンヒート」も少年院が舞台だと深刻なAランク映画になる。ニューヨーク・ウェストサイドの通称ヘルズ・キッチンと呼ばれるイタリア系、アイルランド系、プエルトリコ系が入り混じった街区の悲惨な生活環境に生まれ育った4人の少年が少年院送りになり、看守のいじめと性的虐待に遭う。固く口を閉ざして退院後別々の道に進んだ4人だったが、札付きのワルになった2人が偶然再会した元看守のひとりを殺害したことから、あとの2人、新聞記者ロレンツォ(ジェイソン・パトリック)と検事補マイケル・サリヴァン(ブラッド・ピット)も加わり、裏社会に精通した街のボスの助けも借りて、法廷を舞台に残りの元看守達に対する復讐が始まる。その苗字から判断するに4人のうち2人がイタリア系、2人がアイルランド系。カトリックの同一教区に属して狭い街(ストリート)の掟に従い、裏の有力者を恐れ、なおかつ頼りにする。話のスタートは公民権運動とヒッピー・ムーブメントが盛んな1960年代後半で、スコットランド人ミュージシャン、ドノヴァンの「ハーディ・ガーディ・マン」など、サイケデリックな曲も懐かしい。【マン】 ハイランダー 悪魔の戦士 Highlander ![]() ![]() ![]() 1986年 アメリカ 128分 R ラッセル・マルケイ監督 クリフトファー・ランバート ロクサーヌ・ハート クランシー・ブラウン ショーン・コネリー ビーティ・エドニー アラン・ノース 主人公が不死身で時空を超越--というより時空を無視した荒唐無稽さで、シリーズ化して3作めにはとうとう、主人公コナー・マクラウドはじつは宇宙人だったというインチキな展開になってしまうが、16世紀のスコットランドからずっと宿命の対決を続けて20世紀のニューヨークに現われたクランどうしの戦争だったはずなのだ。ちゃんとグレンコーやKyle of Lochalshで撮影した戦闘シーンは、本筋の超能力を駆使したニューヨーク対決より視覚的には面白い。ショーン・コネリーの役は主人公に日本刀と日本式の剣術を伝授するスペイン人?を名乗るエジプト人??で本当は宇宙人???元気な音楽はクィーン。マクラウドが20世紀のニューヨークの酒場でスコッチ・ウィスキーを注文するシーンで、字幕には出てこないが「グレンモーレンジ」と聞き取れた。【マン】 ハイランダー不死身の約束事は「ハイランダー/最終戦士」を参照。 白馬の伝説 Into the West ![]() ![]() ![]() 1993年 アイルランド、イギリス 97分 マイク・ニューウェル監督 ガブリエル・バーン コルム・ミーニー エレン・バーキン キアラン・フィッツジェラルド ルアーリー・コンロイ デヴィッド・ケリー ジョニー・マーフィ ジョン・カヴァナー ポーリン・デラニー ダブリン市内のタワーと呼ばれる定住促進住宅にアル中の父(ガブリエル・バーン、製作も)と暮らす兄弟が、競走馬のバイヤーに奪われた仲良しの馬ティル・ナ・ノグを取り戻そうと、大西洋側のクレア州まで無賃乗車で旅する。2人を追った父は死んだ妻の身内のキャラバンと再会し、昔に決別する。これは昔は幌馬車、今はトレーラー・ハウスで移動生活を続けるトラベラーとかティンカーとか呼ばれるアイルランドの移動民の話。白馬の名前のティル・ナ・ノグ(常若の国)とは海の神が支配する西方浄土のようなもので、フィアナ騎士団の英雄オシーン(オシアン)が仙女ニーヴに誘われ白馬に乗って赴いたが、何百年も経てからアイルランドに戻って来、仙女の忠告を忘れて地面に足を着けた途端に年をとったという、浦島太郎に似た伝説。純真な子供達と白馬が出て、そのうえ聖母マリアにも通じる仙女(死んだ母親)が海で溺れた幼な子の命を救うとあって、アメリカではビデオがディズニーの漫画映画と並ぶご家庭向き定番商品になって売れ続けている。アメリカ・バージョンにはクラナドのモイラ・ブレナンとU2のボーノのデュエット曲"In a Life Time"が入っている。【マン】 誓い Gallipoli ![]() 1981年 オーストラリア 110分 ピーター・ウィアー監督 マーク・リー メル・ギブソン ビル・カー ロバート・グラブ デヴィッド・アーギュー ティム・マッケンジー オーストラリアの歴史を書いた本はあまりにも少ない。白人による最初の組織的探検は有名なキャプテン・クックによってなされ、程なくスペインやフランスとの植民地獲得合戦に血道を上げる英国が入植を始めるが、北米大陸に比べてもオーストラリアへの航路はあまりに遠く、入植希望者は少なかった。それで政府は囚人を送り込んだ。その3割が英国への反乱罪で囚われたアイルランド人だったらしい。英国からの自治獲得は1901年、この映画の話は1915年。第一次大戦の最中で、イギリスはドイツ=トルコ同盟軍との戦闘にオーストラリアやニュージーランドの若者を動員していた。父の世代は圧政者イギリスのために他国で戦うなんてばかげていると思うが、若者達は軍服を着て田舎(オーストラリア)を出、英国王に忠誠を尽くすことをカッコイイと思っている。エジプトでの訓練、ガリポリの戦場に移動してからも、どこかのんびり(オージー・スタイル)している。だが死を免れ得なくなってはじめて自分らの命が後から上陸する英軍本隊の楯として使い捨てられることを思い知るが、声を上げるには遅すぎる。名画だ。ラストのフリーズ・ショットをロバート・キャパの一枚の写真にたとえる批評家もいる。【マン】 ピアノ・レッスン The Piano ![]() 1993年 オーストラリア、フランス 121分 R ジェーン・カンピオン監督 ホリー・ハンター ハーヴェイ・カイテル サム・ニール アンナ・パクィン ケリー・ウォーカー ジュヌヴィエーヴ・ルモン タンジア・ベイカー イアン・ミューン ひとりの女(ホリー・ハンター)が私生児である娘(アンナ・パクィン)を連れてスコットランドからニュージーランドの北島にやって来る。彼女は唖で自己表現のためのピアノを持って来るが、彼女の夫になる入植者(サム・ニール)はピアノを運ぶのが面倒なので海岸に放置し、先住民と付き合っていて評判芳ばしからぬ隣人(ハーヴェイ・カイテル)に売ってしまう…。ナイマンのピアノは好きだけど、情念渦巻くドロドロ劇は嫌いという人も多い。舞台が多雨でいかにも寒そう。文字どおり泥にまみれて杭を打ち続け自分の所有地を広げる入植者根性を演じたサム・ニールの暗い目つきが凄い。サム・ニール自身は北アイルランドからニュージーランドへの移民。アイルランド系が多いオーストラリア人に言わせれば、今だに英連邦の一員であることを誇り、英国女王にすり寄っているニュージーランド人なんかと自分達オーストラリア人を一緒にしないでほしいんだそうだ。「エンジェル・アット・マイ・テーブル」がベネチア・ベルリン両映画祭で賞を総嘗めにしたことを持ち出すまでもなく、カンピオンは優れた映画作家だが、他にもピーター・ジャクソン監督「乙女の祈り」(キャスティングはアイルランド映画でおなじみのジョン&ロス・ハバード)など、1990年代に入ってニュージーランド映画の興隆著しい。リー・タマホリ監督「ワンス・ウォリアーズ」のようなマオリ人側の映画も当然のように登場している。【マン】 勇者の剣 Sword of the Valiant 1982年 イギリス 101分 スティーヴン・ウィークス監督 マイルズ・オキーフ シリル・クレア レイ・ローソン ショーン・コネリー トレヴァー・ハワード ピーター・カッシング ロナルド・レイシー リラ・ケドロワ ジョン・リス・デイヴィス アーサー王ロマンスの中の円卓の騎士ガウェインと緑の騎士のエピソードを扱った冒険活劇。緑の騎士をショーン・コネリーが演じる。顔も体も緑色、半裸で毛深い胸をはだけ、牡鹿の枝角のある兜を被り、威厳のある声で威厳のあるセリフ。ケルトの森の大神、ケルヌノスをイメージしたものと思えばいい。でも主人公のマイルズ・オキーフの馬面にブロンドのオカッパはカッコ悪すぎるぞ。この俳優、バイオグラフィに「先祖はアイルランドの王」と記述されている。本人が言ったわけじゃないのかもしれないけど。(「スカーレット」参照。)【マン】 アイアン・ホース The Iron Horse ![]() ![]() 1924年 アメリカ 119分 サイレント ジョン・フォード監督 ジョージ・オブライエン マッジ・ベラミー シリル・チャドウィック フレッド・コーラー グラディス・ハレット J・ファレル・マクドナルド リンカーン大統領の偉大さを称えながら、大陸横断鉄道敷設の苦労、大陸横断鉄道がいかに東西南北に分断していたアメリカをひとつにまとめたかを、仇打ち物語と幼馴染みの若い男女の再会物語を絡めて謳い上げる。東から敷設を始めたセントラル・パシフィック社がもっぱら中国人苦力(クーリー=金儲けができると騙して中国から連れて来た事実上の奴隷。近代中国に実在した最強にして人気最大の英雄、黄飛鴻を主人公とした香港映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地黎明」等にも言及されている)を使ったのに対し、西からのユニオン・パシフィック社の労働者はアイルランド人とイタリア人で、両者の仲違いのエピソードがコミカルに描かれる。「お前達のコロンブスがこの国を発見できたのも、俺達の聖パトリック様のおかげなんだぞ」とか「どうだい、俺様の優雅なアイルランド流雄弁術は」"Twas me iligant Irish iloquence that did it - was it not?" とか、サイレントなのに挿入字幕でアイルランド訛が表現される。中国人が大西洋側から、アイルランド人・イタリア人が太平洋側からというのは史実とは逆だが、シャイアン族との戦いなど見せ場は西部に集中しているのだから、何としてもアイルランド人に活躍させたいジョン・フォードならこれぐらいの史実無視はするだろう。この映画ではアイルランド人・イタリア人・中国人が最後には心をひとつに結ぶが、アメリカの移民史でアイルランド系とイタリア系の反目は実際にはもっと深刻だった。WASPのやりたがらない仕事をアイルランド系移民が引き受けたが、1〜2世代遅れで流入した南イタリア系移民はそのアイルランド系移民もやらなくなった仕事を引き継ぐことになった。自治組織に長けたアイルランド系が労働組合を組織してもイタリア系のスト破りがそれを妨害した。同じカトリックではあっても教会との関わり方はまったく違っていた。【マン】 リオ・グランデの砦 Rio Grande ![]() ![]() 1950年 アメリカ 105分 ジョン・フォード監督 ジョン・ウェイン モーリーン・オハラ ベン・ジョンソン ハリー・ケアリー・Jr ヴィクター・マクラグレン クロード・ジャーマン・Jr チル・ウィルズ J・キャロル・ネーシュ グラント・ウィザーズ ジャック・ペニック パット(パトリック)・ウェイン 「勇敢な騎兵隊が悪いインディアンをやっつける」タイプの昔の西部劇。シェリダン将軍も主人公のヨーク大佐もヴィクター・マクラグレン演じる曹長も、皆が皆アイルランド系で、「アイルランド独立党員に栄光あれ」というリフレインを持った恋の歌で皆でしみじみするシーンがある。また大佐の妻はかつて任務で彼女の農園を焼き払った曹長を嫌っているが、シェナンドーにあったその農園は「偉大なアイルランド人サー・ウォルター・ローリーゆかりの由緒ある農園」だったそうな。史実はウォルター・ローリーはアイルランド人ではなくイングランド人だが、エリザベス1世時代にアイルランドの植民地経営に手腕を発揮し、後にアメリカ・ヴァージニアの開拓を指揮した。大佐と曹長はヤンキー(ここではニューイングランド出身者のこと)を殺して指名手配中の兵卒に同情し逃がしてやるのだが、その男がとっさに一番良い馬を選んで乗り逃げる、つまり馬を見る目の確かさで彼を賞賛することによっても、ジョン・フォードは自身のアイルランドびいきを隠さない。【マン】 ブラニガン Brannigan ![]() 1975年 イギリス 111分 ダグラス・ヒコックス監督 ジョン・ウェイン リチャード・アッテンボロー ジュディ・ギーソン ジョン・ヴァーノン メル・フェラー ラルフ・ミーカー レスリー・アン・ダウン 父も祖父も警官だったという典型的アイルランド系警官家系のシカゴの警部がロンドンに出張し、自分流のやり方で強引にお仕事。シカゴでは「アイルランド人」と呼ばれる彼も、万事気取ったロンドンでは「アメリカ人」であり「ヤンクス」である。ジョン・ウェインも寄る年波でろくに動けない。【マン】
![]()
|
IRISH-ON-FILM INDEX WHAT'S NEW(トップページ)
日本語タイトル・インデックス
英語他タイトル・インデックス
|