IRISH-ON-FILM INDEX
ケネディ大統領・稲妻の二年十カ月 John F. Kennedy: Years of Lightning, Day of Drums ![]() 1966年 アメリカ 85分 ブルース・ハーシェンソーン監督 グレゴリー・ペック(声) アメリカ合衆国初のアイリッシュ・カソリック大統領JFK在任期間中のドキュメント。スコッチ・アイリッシュならば、ポーク、ビュキャナン、グラント、・・・ニクソン、カーター、クリントン、ブッシュと結構選出されて来ているのだが、カソリックの壁を破った大統領として、当時話題になったものだ。 【Mustey Kurihallan】 アルバレス・ケリー Alvarez Kelly ![]() 1966年 アメリカ 116分 エドワード・ドミトリク監督 ウィリアム・ホールデン リチャード・ウィドマーク ジャニス・ルール パトリック・オニール ヴィクトリア・ショー ハリー・ケアリー・Jr アイルランド系メキシカンの牧場主アルバレス・ケリー(確かに姓はアイリッシュ、名はメキシカン)が、北軍の包囲網によって、食料補給が適わぬ南部の人々に牛肉を食べさせてあげたいとする南軍のロシター大佐に、半ば脅迫、半ば説得されながら、当初、北軍と契約した2500頭もの牛をアメフトの中央突破よろしく暴走させるシーンはTV西部劇「ローハイド」を思わせる。 【Mustey Kurihallan】 ダンディ少佐 Major Dundee ![]() ![]() ![]() 1965年 アメリカ 123分 サム・ペキンパー監督 チャールトン・ヘストン リチャード・ハリス ジム・ハットン ジェームズ・コバーン マイケル・アンダーソン・Jr センタ・バーガー マリオ・アドルフ ウォーレン・オーツ ベン・ジョンソン 周辺で悪さをするアパッチを鎮圧すべく、北軍、南軍捕虜、民間人の混成で組織された討伐隊が編成される。捕虜組を率いるのは、総括リーダーである北軍少佐ダンディとウェスト・ポイント陸軍士官学校同期のアイルランド移民南軍騎兵大尉ベン・タイリーンを演じるのは、自身も、本ちゃんのアイリッシュのリチャード・ハリス。ラストで単騎フランス軍騎兵隊に抜刀突撃をかけ、戦死するシーンは印象的。なお、ダンディ姓も出自がスコットランドなれば、南北両軍ケルト魂の激突か? 【Mustey Kurihallan】 ブルックリン74分署 Brooklyn South ![]() 1997〜98年 アメリカ 60分×22回(TV) パリス・バークレイ、マイケル・W・ワトキンス、ジェームズ・ホイットモア・Jr他監督 ジョン・テニー マイケル・デルイーズ ゲイリー・バサラバ ジェームズ・シッキング アイルランド系ギャングのアジトに侵入を試みようとする若いアイルランド系警官を描いたストーリーがあった。とかく、このテのNY市警ドラマでは、警官=アイルランド系、ギャング=イタリア系の図式があるようだが、イタリア系の警官が増えてゆく過程で、逆にアイルランド系ギャングが増えていった現実は興味をそそる。 【Mustey Kurihallan】 ゴッド&ジェネラル/伝説の猛将 Gods and Generals ![]() ![]() 2003年 アメリカ 231分 ロナルド・F・マクスウェル監督 ジェフ・ダニエルズ マーク・アルドリッチ スティーヴン・ラング ジョージ・アレン ロバート・デュヴァル キース・アリソン ミラ・ソルヴィーノ スコッチ・アイリッシュ系の南軍将官トーマス・ジョナサン・“ストーンウォール”・ジャクソンを中心に据え、ゲティスバーグからフレデリックスバーグに至るまでの戦いをメインに描いている。北軍のアイリッシュ旅団が、フレデリックスバーグの南軍アイリッシュ連隊(ジョージア)に突撃をかけるシーンでは、共にアイリッシュ・ハープの図柄であるグリーンの部隊旗をシンボルにした南北両部隊の指揮官が「アイリッシュだ」と呟く。 【Mustey Kurihallan】 理想の恋人.com Must Love Dogs ![]() ![]() 2005年 アメリカ 98分 ゲイリー・デヴィッド・ゴールドバーグ監督 ダイアン・レイン ジョン・キューザック クリストファー・プラマー エリザベス・パーキンズ ダーモット・マルロニー ストッカード・チャニング 離婚して落ち込んでいる主人公のサラに、家族が寄ってたかって新しい男を紹介しようとする。姉は出会い系サイトにまで登録、そして出会った男は。。。アイルランド・ネタ:この主人公が、アイリッシュの大家族。主人公の普段の生活には、これぞアイリッシュというものはなかったようでしたが、とにかく家族がすぐにわんさか集まり、サラの父がアイルランドネタをあれこれ披露する、というところでさらりとアイリッシュらしさが出てました。DVDの特典映像で紹介された「カットされたシーン」には、主人公の父が、マイケル・コリンズをを引き合いに出して語る シーンがあります。 【nao】 ドッグ・ソルジャー Dog Soldiers ![]() ![]() ![]() 2002年 アメリカ、イギリス、ルクセンブルグ 105分 R ニール・マーシャル監督 ショーン・パートウィー ケビン・マッキッド リアム・カニンガム ダレン・モーフィット エマ・クリスビー スコットランドで訓練を行う英国兵が、狼人間に遭遇してしまうと云うお話です。地域での人々の失踪が相次ぎ、その真相を調査する女性動物学者と共に、最も近い隣家は50マイル(うろ覚え。とにかく遠いんですって。)と言う人里離れた農家に立てこもって狼人間と化した村の住民と戦います。(笑)まあ、アメリカの映画だし〜、と、期待せずに観ました。撮影された場所が本当にスコットランドであるかどうかは大いに疑問です。それらしい景色が映される部分もありますが、やはり現地なのか判りません。詳しい方なら一目でお判りになるんでしょうが。スコットランドは英国兵(特に特殊部隊)の訓練場所として使われますが、何週間も森だとかに潜んだりすると、やっぱり皆、狼男の話なんか思い出すんじゃないのかなとずっと考えていました。意外や未だに「狼男アメリカン」の話題で英国兵と盛り上がったりも出来ます。予想通りのB級ホラー映画でした。ドキッとする場面はありません。展開もありきたり。動物学者が女性なのも、やっぱり男ばかりじゃつまらないからだろうな〜と、観ている方がそこまで考える余裕を与えてくれます。(爆笑) 敵が狼男達なので細かい説明は必要ないでしょう。「そんな訓練の仕方、普通しないよ〜」とか、「そんな会話、士官がするか?」とか、初っ端から突っ込みを入れずにいられません。湾岸戦争の話が出てくると個人的に白けてしまいます。それでも、軍曹役の俳優がちょっといいなと思って頑張って夜更かししました。例えば、仲間のスプーンとジョーが(ハート印)!だったとかストーリーと全く関係のないエピソードがあれば少しはポイントをオマケしたのに(関係なさ過ぎ)。総合評価は、軍曹に免じて△のところを、○。他にも観たと仰る方のお話が聞きたいです。【えるも】 シン・シティ Sin City ![]() 2005年 アメリカ 124分/147分 R フランク・ミラー原作・監督・出演 ロバート・ロドリゲス監督 クェンティン・タランティーノ特別ゲスト監督 ブルース・ウィリス ミッキー・ローク クライヴ・オーウェン ジェシカ・アルバ ブリタニー・マーフィー ロザリオ・ドーソン パワーズ・ブース マイケル・クラーク・ダンカン ルトガー・ハウアー ベネチオ・デル・トロ イライジャ・ウッド トミー・フラナガン 狭心症の持病を抱えた初老の刑事(ブルース・ウィリス)、醜い顔でサイコの怪力大男(ミッキー・ローク)、色男でお尋ね者の用心棒つまり娼婦たちのヒモ(クライヴ・オーウェン)がそれぞれ、娼婦やダンサーといった街の女のために自分の生命の危険をも顧みず、奇怪な敵や巨悪に立ち向かうという、純情男のオムニバス。人物の瞳や女の唇といったポイントだけを透明感ある原色で着色した白黒のスタイリッシュな映像だが、カッコイイというより、アクションが漫画チックで大いに笑える。まず、ブルース・ウィリスが“アメリカの大都会の刑事、しかも賄賂を受け取らない真面目な警官だから”ハーティガンというアイリッシュ姓で妻の名もアイリッシュ名前のアイリーン(名前だけで実際には登場しない)。次に、一夜をともにした絶世の美女殺しの容疑をかけられたミッキー・ロークが挑む巨悪がロアーク(ルトガー・ハウアー、怪演)という枢機卿、アメリカ・カトリック教会の頂点。そして、クライヴ・オーウェンが戦う敵の傭兵の中に、ブライアン(トミー・フラナガン)という名の誰が聞いても北アイルランドなまり丸出しの爆弾テロリストがいる。コミック原作者で監督もしたフランク・ミラーは司祭の役で出演。【マン】 プルートで朝食を Breakfast on Pluto ![]() ![]() ![]() 2005年 アイルランド、イギリス 135分 R ニール・ジョーダン監督 キリアン・マーフィー リーアム・ニーソン スティーヴン・レイ ブレンダン・グリーソン イアン・ハート ルース・マッケイブ ルース・ネッガ ローレンス・キンラン
麦の穂をゆらす風 The Wind that Shakes the Barley ![]() ![]() ![]() 2006年 ドイツ、イタリア、スペイン、フランス、アイルランド、イギリス 127分 ケン・ローチ監督 キリアン・マーフィー ポードリク・デラニー リアム・カニンガム ジェラード・カーニー ウィリアム・ルーアン オーラ・フィッツジェラルド キーラン・アハーン ロジャー・アラン ジョン・クリーン マイルズ・ホーガン ダミアン・カーニー ショーン・マッギンリー 1920年、英国からの独立を求める武装蜂起が英国軍に鎮圧されて数年後のアイルランド。ロンドンの大病院に就職が決まり田舎から旅立とうとしていた若い医師ダミアン・オドノヴァン(キリアン・マーフィー)は、タンズ(制服の色からブラック・アンド・タンとも)と呼ばれる英国から派兵された治安部隊の横暴を目の当たりにして義憤に駆られ、兄がリーダーを務める地元のボランティア(義勇軍)に入隊し、ゲリラ戦に身を投ずる。やがてマイケル・コリンズらが、北アイルランドを英国領として残すなどの条件を飲んで英国との条約を批准、アイルランド自由国政府が誕生するが、それを是とする政府支持派と完全な独立を勝ち取るまで英国との戦闘を続行すべきだとする条約批准反対派にアイルランド国民は2分し、ダミアンらの義勇軍も議論のあげく、兄は自由国軍に、弟のダミアンは反政府軍に、敵味方に分かれて互いの命を奪い合うはめに…。前半は、実際にならず者の集団だったとも言われる治安部隊ブラック・アンド・タン---外国から来て横暴に振舞う治安部隊がいかにその国の民衆に憎悪を植えつけ暴動や武装蜂起のきっかけになってゆくか、後半はやはり仲間どうし、家族までもが分裂する悲劇を描いている。歴史の教科書では「自由国政府を支持する人々と条約批准に反対する人々の間に分裂が生じ、アイルランドは内戦に陥った」の一行で記述される事項だが、そこはケン・ローチですもん、同志が集まって討論するうちに意見の一致を見ることができなくなり袂を分かつ過程が、頭でっかちなセリフの応酬で長々と描かれる。緑豊かなロケ地はコーク州内。2006年度カンヌ映画祭パルムドール(最高賞)受賞。【マン】 炎の英雄シャープ Sharpe's Rifles, etc. ![]() ![]() ![]() 1993〜1997年 イギリス 102分×14回(TV) トム・クレッグ監督 ショーン・ビーン ブライアン・コックス ダラク・オマリー アセンプタ・セルナ (DVDがセットで出たので)5巻ほど鑑賞致しました。ナポレオン戦争時代、“グリーン・ジャケッツ”の異名や“選ばれし者たち”の名で勇名を馳せたイギリス陸軍第95ライフル連隊(戦列連隊がマスケット銃であるのに対し、既に銃身内が螺旋状のライフル銃で武装していた。)に所属する兵卒上がりの将校シャープと、彼の個性豊かな部下たちの物語である。上官のホーガン少佐と部下のハーパー軍曹などがアイリッシュで、第2話『イーグルを奪え』では、少佐の「俺たち3人のアイルランド人がイギリス軍をつくる」や、シャープが「アイルランドの葬式につきもののブランデーだ」と差し出すとハ軍曹が「アイルランド万歳!」と返し、第3話『怒りの突撃』で、シャープの妻テレサから「アイルランドの司祭からもらったブランデーがあるのよ」ともちかけられたハ軍曹に、シャープが「一言でも話したら殺すぞ」と言うと、彼曰く、「飲んでから殺されます」と答えるあたり、そこそこのアイリッシュ色あり。また、スコットランドのハイランダー連隊も登場している。【Mustey Kurihallan】 ナポレオン戦争時代に活躍する英国将校の出世物語で、映画ではテロリスト等アクの強い役が多かったショーン・ビーンを一躍イギリスのお茶の間の人気者にしたテレビシリーズだが、西洋史が舞台の連続ドラマは日本のテレビでなかなか放送してくれない。 ダイヤモンド・イン・パラダイス After the Sunset ![]() 2004年 アメリカ 97分 ブレット・ラトナー監督 ピアース・ブロスナン サルマ・ハイェック ウッディ・ハレルソン ドン・チードル ナオミ・ハリス トロイ・ギャリティ クリス・ペン ナポレオンの財宝と言われる巨大ダイヤモンド3個のうち2個までをまんまと盗んだピアース・ブロスナンは、お色気過剰な相棒サルマ・ハイェックの「あなたと一緒に夕日を見ながら暮らしたい」という結婚願望につきあって、カリブ海の楽園で優雅な引退生活を始めるが、6ヶ月で退屈する。そこにブロスナンにおちょくられっぱなしのFBI捜査官ウッディ・ハレルソンが公務外と称して現われ、3個めのナポレオンのダイヤモンドを乗せた豪華船が停泊し、島の貧困地域のギャングのボスがダイヤを盗み出せとブロスナンに持ちかけてくる。めっきり白くなった無精ヒゲ、少し腹がせり出した「元ジェームズ・ボンド」ブロスナンと、後頭部は完全に禿げたウッディ・ハレルソン。中年男ふたりが裸でなにやら怪しいことになって笑わせる。アイリッシュ度は、ハレルソンが「イギリス人は素直じゃないな」と言うと、ブロスナンが「俺はアイルランド人だ」と言い返すシーンだけ。【マン】 Vフォー・ヴェンデッタ V for Vendetta ![]() 2005年 アメリカ、ドイツ 132分 R ジェームズ・マクティーグ監督 ナタリー・ポートマン ヒューゴ・ウィーヴィング スティーヴン・レイ スティーヴン・フライ ジョン・ハート ティム・ピゴット・スミス ベン・マイルズ シネイド・キューザック 立憲君主制をやめて独裁国家になり、徹底した国民監視と情報統制により、イラク戦争で(?)弱体化したアメリカを再び植民地にするほど強大になったイギリス。11月5日のガイ・フォークスの夜に、謎の革命家Vがロンドン市内で派手な花火を打ち上げ、国営テレビ局勤務の孤児(ナタリー・ポートマン)を秘密警察の手から守る。V(一度も顔が出ないがヒューゴ・ウィーヴィング)は、それでなくともガイ・フォークス人形の仮面着用でうっとうしいのに、シェイクスピアをはじめ古今の文芸や哲学書の引用、金言名言の長ゼリフをのべつ喋り立て、字幕を読むのが大変、アメリカ人もついてゆけないだろう。それにガイ・フォークスのことを知らないとそれまでだ。ウィキペディアで調べたら、ガイ・フォークスはプロテスタントの家庭に生まれたが長じてカトリックに改宗、国教会優遇政策でカトリックを弾圧したジェームズ1世を国会議事堂もろとも吹き飛ばそうとした火薬陰謀事件の首謀者として、1605年11月5日に逮捕され拷問のあげく火刑に処された。時期的に近いハロウィーンのボンファイヤー(かがり火)と合体したような感じで、英国では11月5日にガイ・フォークス人形を焼いたり、今でも花火やバーベキューパーティーの風習があるそうだ。で、映画の方だが、スーパーヒーローの胸のすくアクションを期待するとはずすが、テレビが流す情報で国民がたやすく操縦されるさまや、圧政下で誰もが何かを隠している(国営テレビ局の花形キャスターが自宅に禁制品のコーランを隠し持っていたり)など、けっこう意味深で面白い。体制側にあってテロリストVを追いながら、公安とは一線を画して真実を追求しようと知るべきでないことに首を突っ込んでゆく、もうひとりの主人公と言えるのが警察官のフィンチ(スティーヴン・レイ)で、圧力をかける公安に「そういえば君は母親がアイルランド人だったな」となじられたりする。【マン】 スパイナル・タップ This Is Spinal Tap 1984年 アメリカ 82分 R ロブ・ライナー監督・出演 マイケル・マッキーン クリストファー・ゲスト ハリー・シアラー トニー・ヘンダ ジューン・チャドウィック ブルーノ・カービー アンジェリカ・ヒューストン ビリー・クリスタル スパイナル・タップは1966年結成のブリティッシュ・ロック・グループ。初期のビートロックからサイケデリック、グラムロックと変節しながらロックシーンを生き残り、80年代の今はメンバー全員40歳目前で股間モッコリタイツをはいて、ビジュアルエフェクトに頼ったステージ展開が売りのヘビメタ・バンドだが、悲しいかな明らかに落ち目。伝説のロックバンド7年ぶりの全米ツアーをフィルムに収めるために、かつて彼らの大ファンだったドキュメンタリー監督(ロブ・ライナー)が同行取材する。レコード会社(ポリドールならぬポリマールという社名)のパーティに出席したはいいけどニューアルバムは販促の失敗で、レコード店でのサイン会はガラガラ、予定されていた大都市公演は相次ぎキャンセル、あげくは田舎の遊園地や空軍基地のドサ回り。そのうえヴォーカリストの女房で「オーストラリアの悪夢」と呼ばれる出しゃばり女が途中からツアーに押しかけ同行して引っ掻き回すので、怒ったリードギタリストと長年のマネージャーが脱退してしまい、グループは解散の危機に直面する。だがアメリカで全然受けなかったシングル「愛の農場」が突如なぜか日本で大当たりし、ギタリストも復帰して初の日本ツアー成功、グループは不死鳥のごとくよみがえる。当インデックス向きのネタはこんなギャグ---「古代ドルイド教の聖地ストーンヘンジでどうのこうの…」という曲のステージの仕掛けにストーンヘンジの石柱のセットを作ろうというギタリストのアイデアで、彼が紙ナプキンに書いたスケッチを業者に渡して発注したら、コンサート直前に出来上がってきた発泡スチロールの石柱は高さたった45cmのミニサイズ。曲のクライマックスで天井から吊り下がってきたミニ・ストーンヘンジは、ブリティッシュ・トラッド調の演奏に合わせて緑色の衣装を着たレプラコーン風の小人達が周囲を踊り回るうちに踏み潰されそうに。「18'(フィート)」のつもりで「18"(インチ)」と紙ナプキンに書かれていたせいだった・・・。ハムバッカー・ピックアップを4個も付けたレス・ポール(ギター)やボリュームコントロールの目盛りが11まであるマーシャル・アンプなどの専門分野ギャグにロックファンは大笑いできる。全体に本物のツアー同行ドキュメンタリーみたいな妙なリアルさがあって、見ながら思わず「あるある」と膝を打って笑える場面が続くが、「スクール・オブ・ロック」や「スティル・クレイジー」のようなドラマが仕込まれていないので感動も余韻もなく、見終わったらそれまでの風俗映画だ。スパイナル・タップはもちろん架空のバンド、メンバーの名前も脚本の中の役名だったが、この映画の後ヴォーカルのマイケル・マッキーン、リードギターのクリストファー・ゲスト、ベースのハリー・シアラーの3人(本当はアメリカ人)は実際にアルバムを出し、92年には「スパイナル・タップ再結成」とかいう続編もテレビ用に制作され、本物のスラッシュやジェフ・ベックと一緒のステージにも立ったらしい。【マン】 トリスタンとイゾルデ Tristan + Isolde ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 2006年 ドイツ、チェコ、イギリス、アメリカ 125分 ケヴィン・レイノルズ監督 ジェームズ・フランコ ソフィア・マイルズ ルーファス・シーウェル デヴィッド・パトリック・オハラ ブロナー・ギャラガー マーク・ストロング ヘンリー・ケイヴィル グレアム・マリンズ リチャード・ディレイン 愛と忠義の板挟み。ヨーロッパ中世の有名な伝説を、「キング・アーサー」より数十年後の時代に設定し、「暗黒時代。ローマ人撤退後のブリテンは、ケルト人、ピクト人、ジュート人、アングル人、サクソン人の諸部族が覇権を争い、国は分裂し弱体化していた。だが一方、海を隔ててローマの手が及ばなかったアイルランドは、強大な王が支配する統一国家で、ブリテンを手中に収めようと狙っていた。」というほとんど架空の歴史を背景に、伝説から愛の媚薬などの魔術的な要素を取り除き、娘を政略の具として扱うアイルランド王と「女だって自由に生きたい」という意志強固なヒロインを登場させて、戦闘シーンが多い戦国時代劇ストーリーに組み立て直した。ブリテン諸部族の一致団結を呼びかけたウェールズの部族長は、侵攻してきたアイルランド軍に殺され、その息子トリスタンは同盟の盟主、コーンウォール王マルクに命を救われ、息子のように育てられ、成長して忠実な臣下となる。コーンウォールの人民を奴隷として拉致しようと攻め込んできたアイルランド軍を、トリスタンは押し返すが、負傷して仮死状態になり、死んだと思われ舟葬で海に流される。対岸のアイルランドに流れ着いたトリスタンを、アイルランド王のひとり娘イゾルドが海岸のあばら家に匿って傷の手当てをし、名と身分を偽ってトリスタンと愛し合う。回復したトリスタンがコーンウォールに戻ると、マルク王のもとにアイルランド王から「トーナメント試合の優勝者に我が娘イゾルドと我が領土を与えよう」という偽りの和平提案が届き、ブリテンの部族長たちは競ってトーナメントに出場する。マルク王の代理でトーナメントに出場したトリスタンは、支配欲旺盛なサクソン人の部族長を決勝で打ち負かして優勝するが、マルク王の花嫁として勝ち取ったアイルランド王女イゾルドが自分がかつて愛した娘だと知り大ショック。マルク王がトリスタンが連れ帰ったイゾルドと結婚して統一ブリテンの王になり、ブリテンは安泰と見えたが、不満なサクソン人の部族長はアイルランド王と通じ、そして同じ城砦に住むトリスタンとイゾルドには地獄の日々が始まった・・・。ロケ地はチェコと一部アイルランド。イーリアンパイプのデイヴィ・スピレーンをフィーチャーした新しすぎるアイリッシュ・トラッドの音楽が入ったりする。【マン】
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