IRISH-ON-FILM INDEX


ギャング・オブ・ニューヨーク Gangs of New York
2002年 アメリカ、ドイツ、イタリア、イギリス、オランダ 168分 R
マーティン・スコセッシ監督 レオナルド・ディカプリオ ダニエル・デイ・ルイス キャメロン・ディアス ジム・ブロードベント ジョン・C・ライリー ヘンリー・トーマス ブレンダン・グリーソン リーアム・ニーソン

1846〜63年のニューヨーク、アイルランドからの貧しいカトリック教徒の大量移民に対するWASP (White, Anglo-Saxon, Protestant) の排斥運動と、新旧ギャングの血の抗争。旧陣営のボス、ビル「ザ・ブッチャー」(ダニエル・デイ・ルイス)に父(リーアム・ニーソン)を殺されたアイルランド人の若者アムステルダム・ヴァロン(レオナルド・ディカプリオ)が復讐を挑む。19世紀半ばのロウアー・マンハッタンを、ローマのチネチッタ撮影所にセット再現。総費用1億ドルは、「タイタニック」で集客力を証明済みのディカプリオを主役に据えることで出資者を納得させたとか。編集作業場がニューヨークのテロで崩壊した世界貿易センタービル直近だったので、完成公開が1年遅れた。

19世紀半ばには貧困とあらゆる悪徳の渾沌サイトだったファイブ・ポインツ(バワリー街の南端、現在のチャイナタウンの南隣あたり)を舞台とし、1863年の南北戦争徴兵暴動をクライマックスに、幾人かの実在した人物と史実を、アイルランド移民で「神父」と呼ばれる架空のギャングのボスの死とその息子の復讐に絡ませたドラマ。ハーバート・アズベリーの犯罪実録読み物『ギャング・オブ・ニューヨーク』(早川書房、2001年)(Herbert Asbury, The Gangs of New York: An Informal History of the New York Underworld, 1928)がネタ本で、ダニエル・デイ・ルイスが存在感たっぷりに演じるビル・ザ・ブッチャーは、ビル・プールという実在したボスで、前身はボクサー、実際には1855年に他のタマニーホール派のギャングに殺害されたことが書かれている。また、アーヴィング・ルイス・アレン著『俗語が語るニューヨーク:アメリカの都市社会と大衆言語』(DHC社、1997年)という本を見ると、映画の中で10ばかり呼ばれたアイリッシュ・ギャングの名称は、主人公が属する「デッド・ラビッツ」を含めて全部実在したようだ。他にも、中に詰め物をして乱闘の際はヘルメットになる巨大なシルクハット、爪先に敵を蹴る釘を仕込んだ靴、「サルート・オブ・ジャガー」の架空地下帝国を思わせるような地下の酒場、気に入らない客の耳を噛み切ってピクルス瓶に漬けていた酒場の女主人や、品質劣悪なビールの樽にゴムホースを差して客の喉に流し込む売り方など、嘘っぽい話を含めて映画の中に登場するほとんどの道具立てが事実だったことが書かれている。民族混合のギャングの中でも「バワリー・ボーイズ」というのが有力で、バワリー街という通りは現存するが、1900年頃までは歓楽と悪徳の代名詞のような所で、映画で主人公を侮辱する時も「バワリー・バム」(バワリー街をうろつく浮浪者の意味から転じて、酒に溺れてまともに働けない犯罪者を指す)という最低の軽蔑の言葉が使われ、これは同じスコセッシ監督の1955〜1980年の実話をもとにした映画「グッドフェローズ」でも、息子がシシリアン・マフィアの使い走りをしていることを知って怒ったアイリッシュの父親が、息子を罵倒する言葉として使われていた(字幕には表れず)。アイルランドとポーランドから貧窮したカトリックの移民が大量に流入、南北戦争、奴隷解放による黒人への迫害激化、戦争成り金と政治家の腐敗など、19世紀半ばのニューヨークを舞台に、2時間半では収まりきれない歴史的な内容が盛り込まれていて、はっきり言ってデカプーの復讐劇という架空の本筋はどうでもよいような感じだった。同じ時代の南北戦争の戦場が主な舞台となる映画なら、「風と共に去りぬ」「南北戦争前夜」「潜水艦CSSハンレー」「ワン・マンズ・ヒーロー」など、アイリッシュが登場する映画やドラマが従来からあったが、戦争に起因するニューヨークの混乱や暴動を描いた映画は従来なかったのではないだろうか。アイリッシュ・ギャングが、後に民主党の牙城として発展してゆく政治団体タマニーホールに食い込んでゆく様も、主人公のデカプーがジム・ブロードベント演ずるタマニーホールのボス、ウィリアム・マーシー・トゥイード(1823〜78年実在)と、アイルランド人全員が民主党に投票することと引き換えに、有力な公職をアイリッシュに与えるように駆け引きするなど、あまりにも端的ではあるが、象徴的に描かれている。その時デカプーとトゥイードの間では「将来もっと上の公職を…」「それはあり得ない」とやりとりするのだが、将来は民主党からアイリッシュでカトリックの大統領が出ることになるのだ(たとえば「ケネディ」参照)。その意味でも、この映画は一種の“ニューヨーク神話”---“創世神話”ではなく、本来のアイルランド神話同様の“渡来神話”なのだが---と言えるのではないか。アメリカの“創世神話”の方で言えば、「俺の祖父や父が独立戦争を戦ってアメリカを得たのだ。独立戦争を戦わなかったよそ者はアメリカから出て行け」というビル・ザ・ブッチャーの移民排斥の論理にも、確かに心が揺さぶられてしまう---それほどダニエル・デイ・ルイスの演技は圧倒的だった。ハーリング・スティックを使った撲殺のプロで後に保安官に当選するブレンダン・グリーソンや、悪徳警察署長のジョン・C・ライリー、鉄製のケルト十字架を振り回す「神父」リーアム・ニーソンら、アイルランド人俳優が演じたキャラクターの描き込みをもっと濃くしてもよかっただろう。

ラストシーンではU2のテーマ曲が流れる中、対岸のブルックリンからのマンハッタンの眺望がCGで描写される。焼跡が再建され、やがてブルックリン橋が架かり、摩天楼が建ち始め、スクリーン中央にツインタワー(2001年9月テロで倒壊)のシルエットが現れて映像は終わる。曲が終わってエンドクレジットの最後の方になると、スクリーンは暗黒のままで、現在のニューヨークの街の音が流れる。車の往来と雑踏、ストリートベンダーの物売りの声、パトカーのサイレン音などが、ビルの谷間に反響する、ニューヨーク独特の雑音。音というのは視角よりも、ある場所の息吹きをより強く伝えるような気がした。【マン】


エンジェル Angel
1999年〜 日本、アメリカ 60分/回(TV)
ジョス・ホィードン、カズ・クズイ他制作 デヴィッド・ボレアナズ チャリズマ・カーペンター グレン・クィン アレクシス・デニソフ エリザベス・ローム J・オーガスト・リチャーズ ジュリー・ベンズ

バフィー 恋する十字架」の外伝シリーズで、1700年代アイルランド・ゴールウェイ生まれの若くハンサムなヴァンパイアが主人公。エンジェル(デヴィッド・ボレアナズ)はヴァンパイア・スレイヤーの女子高校生バフィーを愛して魂(良心)を取り戻すが、セックスで歓喜を得るとまた魂を失って邪悪に戻ってしまうので、バフィーの元を去ってひとり大都会ロサンゼルスの夜に身を隠す---というところからシリーズが始まる。200年間の罪の赦しを求めて自らに苦業を課すという風情のネクラ君、アイルランド生まれらしくもなく口ベタで孤独なエンジェルの前に、バフィーの同級生で女優の卵コーディリアと、人間の母から生まれたアイルランド系のハーフ悪魔ドイルが現れ、3人でモグリの探偵事務所を開設。夜の街に潜み人々を苦しめる悪鬼どもと闘うというダークヒーローもの。第3話では、当時アメリカでベストセラーになった「アンジェラの灰」に大感激したドイルの話をひと晩じゅう聞かされてもうウンザリ、「私はあの本がそんなに良いとは思わない」とコーディリアがボヤくシーンがある。

ドイル(グレン・クィン)は自ら尊い犠牲になり数回で姿を消し、代わって「バフィー」シリーズでスレイヤーの後見人を解雇されたエキセントリックなイギリス人ウェズリー・ウィンダム・プライス(アレクシス・デニソフ)がレギュラーに。ドイルの死の頃から彼らの敵は悪魔ではなく、悪魔をも食いものにする人間の悪党になってきた。

ドイル役だったアイルランド生まれの俳優グレン・クィン は、ドラッグのやり過ぎで、2002年12月3日に死亡。【マン】


ナバロンの嵐 Force 10 from Navarone
1978年 イギリス 118分
ガイ・ハミルトン監督 ロバート・ショウ ハリソン・フォード バーバラ・バック エドワード・フォックス フランコ・ネロ カール・ウェザーズ リチャード・キール

第2次大戦でアメリカ人部隊がドイツ軍と戦うパルチザンを助けにユーゴスラヴィアに潜入。ユーゴ(現地ロケの実際の景色)に到着したアメリカ兵どうしの他愛ない会話。「ここの景色はスコットランドに似ているから気に入った。」「スコットランドを知っているのか?」「まだ行ったことはないが、いつか住みたいと思っている。」【マン】


検死医マッカラム McCallum
1995年 イギリス ?分 TV
マレイ・ファーガソン制作 ジョン・ハンナ ゼイラ・ターナー リチャード・ダーデン ジェラード・マーフィ リチャード・オキャラハン ジェームズ・サクソン アレックス・ウォーキンショウ スザンナ・ハミルトン

CS放送のチャンネルを回していたら偶然ズーズー弁の英語が耳に飛び込んできたのがこの番組。どういう状況か1回分見てもよくわからないが、ロンドン警察の検死関係部署の医者が皆ひどく訛っていて田舎出身ということに意味があるドラマらしい。主人公のイアン・マッカラムはスコットランド出身、同僚で恋人のアンジェラ・モロニーはアイルランド出身らしく、私が見たのは彼女がロンドンで挫折してダブリンに帰る帰らないでもめる脇筋の回だった。スコティッシュ・テレビジョン・エンタープライズ制作。【マン】


ノーラ・ジョイス 或る小説家の妻 Nora
2000年 アイルランド、イギリス、イタリア、ドイツ 106分 R
パット・マーフィ監督 ユアン・マクレガー スーザン・リンチ ピーター・マクドナルド ロベルト・チトラン アンドリュー・スコット ヴィニー・マッケイブ ヴェロニカ・ダフィ イーディン・モロニー ポーリン・マクリン

ジェームズ・ジョイス夫妻が主役のドラマ。ダブリン・ロケ。パット・マーフィは「Anne Devlin」(1984年、未見)などアイルランド苦難の歴史に生きる女性像を力強いタッチで描くのを得意としてきた女性監督。


視姦 The Governess
1998年 イギリス 115分 R
サンドラ・ゴールドバッチャー監督 ミニー・ドライヴァー トム・ウィルキンソン ハリエット・ウォルター フローレンス・ホース ブルース・マイヤーズ ジョナサン・リース・マイヤーズ

19世紀のイギリスで、父を亡くしたユダヤ人女性(ミニー・ドライバー)が生計を立てるためにキリスト教徒と素性を偽って、スコットランドのスカイ島にガヴァネス(家庭教師)として赴く。設定はスカイ島だが、ロケはアラン島 Brodick Castle。監督の Sandra Goldbacher 自身、父親がイタリア系ユダヤ人で、母はスカイ島の出身とか。【Cheeky】


上海から来た女 The Lady from Shanghai
1948年 アメリカ 87分
オーソン・ウェルズ監督・主演 リタ・ヘイワース エヴェレット・スローン グレン・アンダース テッド・デ・コーシア

アイルランド出身の水夫、マイケル・オハラが流浪の果てに、辿り着いたニューヨーク。セントラルパークで暴漢に襲われている美しい女エルザを救ったことが縁で、その夫の弁護士、パートナーとボディーガードのクルージングに雇われる。そして徐々に保険金狙いの殺人の罠に填められていく。ラストのサンフランシスコの鏡の迷路の銃撃戦描写で、この作品の評価は高い。また、当時、妻だったヘイワースを、ウェルズはメキシコの海を背景に美しく際だたせる。残念ながらアイルランドはセリフに出てくるだけ。【織田淳】


オーソン・ウェルズのフェイク F for Fake/Verites et mensonges
1975年 フランス、イラン、西ドイツ 85分
オーソン・ウェルズ監督・出演 エルミア・デ・ホーリー クリフォード・アーヴィング オヤ・コダール ジョゼフ・コットン

絵画の贋作で有名なエルミア、ハワード・ヒューズのエセ伝記で投獄されたクリフォード、この二人にインタビューを繰り返し、ドキュメンタリー造りに見せて、その中に作り物のエピソードを混ぜる、手が込んだウェルズの演出作品。その途中で、ウェルズ自身が若き日を語るシーンが出てくる。「16才の時にアイルランドに旅に出た。ダブリンで金も無くなり、ブロードウェイのスターと偽って売り込み、役者になった」と。この話は、彼の自伝(文芸春秋社刊)にも書かれているが、この自伝も「贋自伝」というタイトルになっている。だが、ダブリンのゲイ劇場で評価を得て、アメリカに戻ったのは間違いがない。余談だが、クリフォードの有罪判決を報じる記事がアップされるショットに、珍しく日本の新聞が使われている。【織田淳】


救命士 Bringing Out the Death
1999年 アメリカ 120分 R
マーティン・スコセッシ監督 ニコラス・ケイジ パトリシア・アークェット ジョン・グッドマン ヴィング・レイムズ トム・サイズモア

ニューヨーク・マンハッタンの救急車は通報があってから出動するのではなく、パトカー同様救命士2人1組で夜の街を流していて、無線の指令で現場に駆け付ける。舞台は夜のマンハッタン、徹夜の流し運転という状況、精神状態が悪化する主人公の独白、音楽の使い方など同じ監督の「タクシードライバー」に似た雰囲気の映画。どう見てもイタリア系にしか見えないニコラス・ケイジが演じる主人公の名はアイルランド系にありがちなフランク・ピアースで、原作はこれまたアイリッシュ名前のジョー・コネリーの自伝的小説だそうだ。陽気な福音主義クリスチャンのアフリカ系の相棒と、「アイルランドには、崖から飛び下りた娘を風が吹き戻したという言い伝えがある」「それは風のおかげじゃない、神のおかげだ」とやりとりするシーンがある。【マン】


ワン・マンズ・ヒーロー One Man's Hero
1999年 メキシコ、スペイン、アメリカ 121分 R
ランス・フール監督 トム・ベレンジャー ホアキン・デ・アルメイダ ダニエラ・ロモ マーク・モーゼス ステュアート・グレアム グレッグ・フィッツジェラルド ジェイムズ・ギャモン パトリック・バーギン ホルヘ・ボッソ

アメリカがメキシコに侵攻し領土の半分を奪った1846〜47年の米墨戦争の時は、ちょうどアイルランドのジャガイモ大飢饉と重なった。飢えてアイルランドからアメリカに向かった大量の難民は、その多くが移民手続きもしないまま、ニューオーリンズなど上陸した港に待ち受ける志願兵募集に誘導され、メキシコ侵攻に駆り出された。イーリアン・パイプの情緒的な演奏と、英国の執行官によって家を追い出されるアイルランドの貧窮小作農民を描いた絵や写真のタイトルバックで始まるこの映画は、アイルランド移民とアメリカ国家の関係の裏面史を描き、アイルランド系アメリカ人と反愛国主義という珍しい組み合わせのドラマ。軍規でカトリックの信仰を弾圧されたり虐待を受けるなど、「英国人よりひどいアメリカ人によるアイルランド人差別」に我慢できなくなったアイルランド人やポーランド人の兵卒十数名を引き連れ、ジョン・ライリー軍曹(トム・ベレンジャー)はメキシコ領に脱走。腐敗したメキシコ政府に反旗を翻す山賊の首領(ホアキン・デ・アルメイダ)に保護され、同じカトリック教徒で、自由を求めるメキシコ人に自分たちアイルランド人の姿を重ねる。砂漠の野営でホィッスルを吹いて踊ったり、コーヒーにウィスキーを入れて飲んだりなどするが、ミルトンやマルクス・アウレリウスを引用して教養があるところを見せるシーンは、アイルランド人のほとんどが農民出身とすればやや不自然。やがて山賊一味もアイルランド人脱走兵も、アメリカの不当な侵攻と戦うという大義のもとに、メキシコ正規軍に参入。アイルランド人の脱走兵のメキシコ軍への志願が相次ぎ、ライリーの下に聖パトリック隊という一個小隊ができる。だがメキシコ軍は敗退し、ライリーと彼の部下のアイルランド兵には裏切り者としてアメリカの制裁が待っていた。メキシコ侵攻反対派のザカリー・テイラー将軍(後の第13代大統領、ジェイムズ・ギャモン)に対し、メキシコ侵攻推進派でアイルランド人を反逆罪に断じた実在のスコット将軍という憎まれ役を、アイルランド人俳優パトリック・バーギンが演じてちょっと皮肉。【マン】


ハリー・ポッターと賢者の石 Harry Potter and the sorcerer's Stone
2001年 イギリス、アメリカ 152分
クリス・コロンバス監督 ダニエル・ラドクリフ ルパート・グリント エマ・ワトソン ロビー・コルトレーン リチャード・ハリス アラン・リックマン マギー・スミス ジョン・ハート リチャード・グリフィス イアン・ハート ゾイー・ワナメイカー ジョン・クリース ワーウィック・デイヴィス フィオナ・ショウ ジュリー・ウォルターズ

J・K・ローリング作ベストセラー魔法使い小説の映画化。魔法の町の商店街セットは、ビクトリア朝ピカレスクロマン風で懐かしい。賢者の石を守っている3頭の犬「フラッフィー」は、ホグワーツの森の番人ハグリットが「去年パブでアイルランド人から貰った」と話してしまうシーンがあった。スコットランドのフォートウィリアムスとグレンネヴィス近辺でロケしており、細かいところまでは分からないしCG合成してはいるが、クイデッチという球技をする際の、競技場の周囲がハイランドっぽい雰囲気。その他こじつけるとすれば、マクゴナガル先生のガウンやハーマイオニーの襟辺りにチェック模様がアレンジされている。【S杉山】

ダンブルドア校長を演じてあまりに馬鹿馬鹿しかったのか「2作めには俺は断じて出ん!」と言ったと報じられたはずなのに、2作め「ハリー・ポッターと秘密の部屋」でもまたダンブルドア校長を演じた、偏屈で有名なアイルランド人俳優リチャード・ハリスが、撮影終了直後から入院し、悪性リンパ腫で2002年10月25日、意外と若い72歳で亡くなってしまった。3作め以降のダンブルドア校長役に、ハリポタ・シリーズと強力に対抗する「ロード・オブ・ザ・リング」で魔法使いのライバルどうしを演じるイアン・マッケレンとクリストファー・リーの両名が浮上してきたそうだが、60代のマッケレンはともかく、80過ぎのクリストファー・リーで持ちこたえられるのかいな?【マン】


キャメロット Camelot
1967年 アメリカ 179分
ジョシュア・ローガン監督 リチャード・ハリス ヴァネッサ・レッドグレイヴ フランコ・ネロ デヴィッド・ヘミングス ライオネル・ジェフリーズ ローレンス・ネイスミス

原作戯曲:アラン・ジェイ・ラーナー&フレデリック・ロウ。『マイ・フェア・レディ』のラーナー&ロウのコンビによるミュージカル映画。アーサー王、グィネヴィア、ランスロットの三人の関係に焦点を当てたアーサー王物語で、聖杯伝説については特に触れられていない。イギリス国内でのロケは行われず、カリフォルニアのワーナースタジオ内に巨大セットを組み立てて撮影された。キャメロット城のモデルとなったのは、スペイン・セゴビア近郊のコカ城。【Cheeky】

ランスロット役のフランコ・ネロが信じられないぐらい見目麗しい。「続荒野の用心棒」(1966年)でマカロニウェスタンの代表的汚れ役キャラクター、ジャンゴを確立するとほぼ同時の起用。ただし歌声はプロ歌手の吹き替え。彼の地声の歌は「ケオマ」(1976年)でたっぷり聞けるが決して美声ではない。「キャメロット」の主要登場人物で地声の歌で演じているのは、アーサー王のリチャード・ハリス(アイルランド出身)だけ。英国人のヴァネッサ・レッドグレイヴとイタリア人のフランコ・ネロは、この後本当に結婚して一男をもうけた。【マン】


No Future: A Sex Pistols Film(以上が邦題) The Filth and the Fury
2000年 イギリス、アメリカ 108分 R
ジュリアン・テンプル監督 ポール・クック スティーヴ・ジョーンズ ジョン・ライドン グレン・マトロック マルコム・マクラーレン

伝説的パンク・ロック・バンド、セックス・ピストルズの成功と凋落を、メンバーへのインタビューと当時の映像から浮き彫りにしたドキュメンタリー。ヴォーカルのジョニー・ロットン(ジョン・ライドン)の両親はアイルランドからの移民。彼の母はアリス・クーパーのファンで、子供時代はアイルランド民謡からT-Rexまで何でも聴いたという。そのことを指して「すごく趣味が広かった(extremely cathoric taste)」と語っているが、これはアイルランド移民でカトリック教徒であることと、「cathoric=普遍的」という意味を踏まえたかけことば。【Cheeky】


潜水艦CSSハンレー The Hunley
1999年 アメリカ 95分 TV
ジョン・グレイ監督 アーマンド・アサンテ ドナルド・サザーランド アレックス・ジェニングス クリストファー・ボウヤー ジェリー・ベッカー マイケル・ドーラン セバスティアン・ロシェ マイケル・スタルバーグ ジェフ・マンドン フランク・フォクト ジャック・ボーン ケヴィン・ロバートソン キャプリス・ベネデッティ ケヴィン・マレイ キャル・ジョンソン

南北戦争の1864年、チャールストンなど南部の港町は海上から北軍の艦船に砲撃されて陥落寸前。南軍ではハンレー大尉と英国人の技術顧問アレクサンダーが、手でクランクを回してスクリューを動かす手動の潜水艇を建造。実験中に水死したハンレーの遺志を海軍ではなく陸軍の中尉ディクソン(アーマンド・アサンテ)が継ぐ。水中に隠れて敵艦船に接近、その下に潜り込んで水雷をしかけるという世界初の潜水艇による作戦が「臆病な卑怯者のすること」と嫌われて、海軍からは志願者がなく、個性的なはみ出し者の乗組員が寄せ集められる。そのひとりがコリンズ(セバスティアン・ロシェ)というアイルランド人で、訛った英語で、「短気で向こう見ず、虚栄心が強く大口叩き、酒飲みでケンカっぱやい」とあらかじめ評価されたとおりの行動をし、ケンカ相手に「ポテト・イーター」(ジャガイモ食い)と罵られたりする。副長のアレクサンダーには「イギリス人の言うことなんか聞くか」と反抗し続けるが、アレクサンダーに召還命令が出て別れる際に「お守りだ」と言って自分の銀のケルト十字架のペンダント(わざとらしい)を持たせる。初めての実戦で近付いた敵艦船から、北軍水兵たちがアイルランド民謡を合唱する声が聞こえて来、「ダ」(親父)を思い出して涙ぐむシーンもある。【マン】


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