IRISH-ON-FILM INDEX
デビル The Devil's Own ![]() ![]() 1997年 アメリカ 116分 アラン・パクラ監督 ハリソン・フォード ブラッド・ピット マーガレット・コリン ルーベン・ブレイズ トリート・ウィリアムズ ウィリアム・アサートン ジョージ・ハーン ジョン・マホニー ケリー・シンガー ジュリア・スタイルズ 北アイルランド紛争の真只中に身を置くIRA実行部隊長フランキー・マグワイヤ(ブラッド・ピット)はロリー・デヴァニーの偽名で単身ニューヨークに潜入、何も知らない真面目が取り柄の警官トム・オメーラ(ハリソン・フォード)の家に下宿する。彼はスティンガー・ミサイル調達のためにIRAシンパ崩れのアイリッシュ・マフィア(トリート・ウィリアムズ)と接触するが…。ニューヨークのアイルランド系アメリカ人の生活が多少の誇張を交えて描かれているが、何よりも、彼ら移民何世代めかのアメリカ人と今もなおアイルランドにある者達との失われた共感がテーマのひとつになっている。古くからの移民とアイルランド分離独立以後の移民とでは、北アイルランド問題に対する意識に大きなギャップがあるといわれる。ニューヨークの他、ダブリンとクロハーヘッドでロケ。IRAのテロを単なる重犯罪扱いした「パトリオット・ゲーム」に満足できなかった人の鑑賞にも耐えると私は思ったのだが、当のアイルランドでは「shameful」と酷評だし、日本人のアイルランド通の評判もめちゃくちゃ悪い。嫌い出すととことんまで、たとえば北アイルランドから来たはずの男の訛がダブリン訛だったりするようなことにも頭にくるらしい。【マン】 マイケル・コリンズ Michael Collins ![]() ![]() ![]() 1996年 アメリカ 133分 ニール・ジョーダン監督 リーアム・ニーソン イアン・ハート ジュリア・ロバーツ エイダン・クィン アラン・リックマン スティーヴン・レイ ジョン・ケニー アイルランド独立闘争の中心的人物の半生記。英国とアイルランドにとっていまだ生々しい記憶、さらに継続中の問題であり、歴史解釈とコリンズの人物像を巡って両国で賛否両論巻き起こり、同じテーマによるTVドラマが前後して放映されたり、1996年アイルランドはコリンズ・ブームにわいた。分離独立から内戦に至る複雑な歴史が、一流のストーリー・テラーであるニール・ジョーダンの手腕で「見ればわかる」ドラマに仕立てられている。ダブリン・ロケの戦闘シーンの迫力、スティーヴン・レイが演じるスパイのサスペンスフルな活躍など、歴史・戦争スペクタクル、アクション映画としても楽しめる。ただコリンズの人間性の描き方が今いち足りず、ゲリラ戦の先鉾だったコリンズがなぜ条約反対派と対決するに至ったのか、観客は混乱する。身長190cmのリーアム・ニーソンはピンストライプのビジネススーツを着て自転車で駆け回り、ビッグ・フェラ(でかいやつ)とあだ名されたコリンズを熱演したが、当時44歳では31歳で暗殺された青年の顔に見えろと言う方が土台無理。アイルランド自由国初代首相で共和国になってからも長く政権を維持したイーモン・デ・ヴァレラ役のアラン・リックマンが実物の写真にそっくりで怪演。挿入歌"He Moved Through the Fair"を歌っているのはシニード・オコナー。「キング・オブ・フィルム」というオムニバスの中に、ジョン・ブアマンが撮ったこの映画の戦闘シーン撮影現場が収められている。「市街戦」の主人公はマイケル・コリンズがモデル。【マン】 ナッシング・パーソナル Nothing Personal ![]() ![]() ![]() 1995年 アイルランド、イギリス 82分 R サディアス・オサリヴァン監督・脚本 イアン・ハート ジョン・リンチ ジェームズ・フレイン マリア・ドイル・ケネディ ジェニ・コートニー ルーアリー・コンロイ マイケル・ガンボン ジェラード・マクソーリー ゲイリー・ライドン 1975年IRAとロイヤリスト(プロテスタント)幹部が密かに合意した停戦が幻に終わった実話を、若いロイヤリスト過激分子の暴走に絡めて描いたこの映画は、1994年8月から17か月間の停戦期間に製作されたが、日本での初公開は1995年2月のアイルランド映画祭、その時停戦は再び破られていた。監督とのティーチインではカトリックとプロテスタントのことに質問と意見が終始した。これは宗教戦争ではないということを日本の観客に納得させられなかったのは、オサリヴァンの力量不足なのだろうか。ダブリン・ロケで人影途絶えたベルファストの街路を再現。「フィオナの海」に続いて登場の美少女ジェニ・コートニーにロリータ趣味的人気が集中したが、子供が子供の顔をしていないところに凄味を感じる。リーアム(「キャル」がそのまま親父になったようなジョン・リンチ)が字を手で隠してみせた壁の絵はプロテスタント側の守護神に等しいオレンジ公ウィリアム(カトリックのチャールズ2世を封じ込めるために1688年オランダから招かれて英国王になったウィリアム3世)。ブリティッシュ・ロック、ベルボトムなど70年代の青春が鮮やかに蘇る。【マン】 エマ Emma 1996年 イギリス、アメリカ 120分 ダグラス・マグラス監督 グウィネス・パルトロウ トニ・コレット アラン・カミング ジェレミー・ノーザム ユアン・マクレガー グレタ・スカッキ ジェーン・オースティンの原作にはダブリン生まれの元気なおばさん(お姉さん)が登場すると【寺尾淳】氏から指摘をいただいている。 ロンドン・ハイベリーが舞台のロマンチック・ストーリー。自称「恋のキューピット」のエマが、友達の幸せのためにとあの手この手を考える。そんなエマが恋に落ちた相手が友達の意中の男性だと気づいて...。原作に登場するというお話の「ダブリン生まれの元気なおばさん」について映画ではそういう説明は出てきませんが、もしかしたらエマの相談相手のウィンストン夫人のことでしょうか?【島崎】 パトリオット・ゲーム Patriot Games ![]() ![]() 1992年 アメリカ 116分 R フィリップ・ノイス監督 ハリソン・フォード アン・アーチャー パトリック・バーギン ショーン・ビーン リチャード・ハリス ゾーラ・バーチ ジェームズ・アール・ジョーンズ ジェームズ・フォックス サミュエル・L・ジャクソン ポリー・ウォーカー 映画ではぼかされているが、トム・クランシーの原作では、暗殺されかけたのはチャールズ皇太子とダイアナ妃と2人の王子、襲ったのはIRA内部の過激分子と、実名フィクションになっている。「レッド・オクトーバーを追え」ではアレック・ボールドウィンが演じた元CIA分析官ジャック・ライアンはアイルランド系のキャラクターであり、ミスター・アメリカといった感じのハリソン・フォードだが、父はアイルランド系、母はロシア系ユダヤ人だそうだ。「デビル」ではニューヨーク市警のアイルランド系警官としてIRAのテロリストと対決する。アイルランドでのシーンはほとんど現地ロケ。IRA幹部の役でリチャード・ハリスが登場する。挿入曲はもともと「ハリーズ・ゲーム」のテーマ曲でクラナド。【マン】 キャル Cal ![]() ![]() ![]() 1984年 イギリス 102分 R パット・オコナー監督 ヘレン・ミレン ジョン・リンチ ドナル・マッキャン ジョン・カヴァナー レイ・マキャナリー ステヴァン・リムカス キティ・ギブソン 舞台はベルファストとその近郊。カトリックの孤独な若者とプロテスタントの殉職警察官の未亡人との悲恋物語だが、決して甘ったるい映画ではなく、憎しみの街ベルファストの悲劇に胸が掻きむしられるような、パット・オコナー初期の名作だ。プロデューサーはデヴィッド・パットナム。ヘレン・ミレンはどちらかといえば地味なこの映画でカンヌ映画祭主演女優賞を取った。【マン】
ローカル・ヒーロー/夢に生きた男 Local Hero ![]() ![]() ![]() 1983年 イギリス 111分 ビル・フォーサイス監督 ピーター・リーガート バート・ランカスター フルトン・マッケイ デニス・ローソン ピーター・キャパルディ ジェニー・シーグローヴ 社長(バート・ランカスター)の命令を受けたその名もマッキンタイアというエリート社員が、石油コンビナート用地としてスコットランド北端の漁村を買収しに行く話。住民の反対に遭うだろうと思いきや…。経済格差に悩む過疎地域、スコットランドが抱える社会問題をうまく描き出している。ビル・フォーサイス自身がスコットランド人であり、完璧なスコットランド田舎映画で、オフビートがお好きならお勧めの一本。北極圏に近いとあって夜空を流星雨やオーロラが彩るのも、憧れを掻き立てる。マーク・ノップラーによるテーマ曲はルポ番組などによく使われるので、聞いたことがある人も多いだろう。とぼけた税理士ゴードン・アーカードを好演のデニス・ローソンは今をときめくユアン・マクレガーの叔父さん、1970年代の「スターウォーズ」シリーズにその他大勢役でレギュラー出演していたようだ。プロデューサーはデヴィッド・パットナム。【マン】
フィオナの海 The Secret of Roan Inish ![]() ![]() ![]() ![]() 1994年 アメリカ 103分 ジョン・セイルズ監督 ジェニ・コートニー アイリーン・コルガン ミック・ラリー リチャード・シェリダン ジョン・リンチ スーザン・リンチ アイルランド北西部ドネゴール州で撮影した最果ての風景と民謡調の音楽が旅心を刺激する。このアイルランド民謡調の音楽だが、じつはジョン・セイルズ映画のレギュラー・スタッフとして、「セコーカス・セブン」ではカントリー、「メイトワン1920」では労働歌とゴスペル、「エイトメン・アウト」ではジャズ、「パッション・フィッシュ」ではケイジャン、「ローンスター」ではロックといった具合に極めてアメリカ的な音楽を提供している器用なミュージシャン、メイソン・ダーリングのオリジナルだ。原作はロザリー・フライの『ロン・モール・スケリーの秘密』 The Secret of Ron Mor Skerry。スケリーというのは岩でできた小さな島、岩礁のことで、ケルト語ではなくアングロ・サクソンを含む北部ゲルマン系の言葉。日本の羽衣伝説にも似たアザラシ女房の伝承だが、本来はスール・スケリーを始めスコットランド北方沖に点々と浮かぶ小島にまつわる伝承で、ケルトよりむしろスカンジナヴィア(ヴァイキング)文化に属するようだ。赤ん坊の弟が波にさらわれアザラシの世界に行ったというのは、近代まで続いた農漁村部の貧困の中で、口減らしのための嬰児遺棄というアイルランド女性が負わされた十字架、その弟をまだ幼い姉が取り戻すというのは、新しい世代のアイルランド女性が立ち上がる姿を表現しているというのが大野光子氏の解釈(「アイルランド文化研究会ニュースレター」第3号所収)。【マン】 トレイン・スポッティング Trainspotting ![]() ![]() ![]() 1995年 イギリス 93分 R ダニー・ボイル監督 ユアン・マクレガー ユエン・ブレムナー ジョニー・リー・ミラー ケヴィン・マッキッド ロバート・カーライル ケリー・マクドナルド ピーター・マラン スーザン・ヴィドラー ポーリン・リンチ "We're the lowest of the low. Most people hate the English. I don't. They're just wankers. We're colonised by wankers. We couldn't even find a decent race to be colonised by." (wankerという単語が辞書に載っていないのだが、スコットランドの立場を言い当てた名セリフ。)同郷のスター、ショーン・コネリー・フリーク、それも007のコネリーしか認めない(「薔薇の名前」は辛うじて認めるが、「アンタッチャブル」のアカデミー賞はお情けで貰ったに過ぎないと言う)こだわりの若者が登場する。【マン】
シャロウ・グレイブ Shallow Grave ![]() ![]() ![]() 1994年 イギリス 94分 R ダニー・ボイル監督 ケリー・フォックス クリストファー・エックルストン ユアン・マクレガー ケン・スコット キース・アレン コリン・マックレディ 計画を実行した3人が新年を祝うパーティはホグマニーと呼ばれるもので、ダンスと酒で大晦日から新年に大騒ぎする。踊られていたダンスはスコッティッシュ・カントリー・ダンスの一種で確か「ストリップ・ザ・ウィロー」。パートナー、2番目の異性、またパートナー、3番目の異性、またパートナー、4番目の...とぐるぐる回転を繰り返し、上から「柳のように?流れてくる」という踊り。【S杉山】 人影乏しいグラスゴウの住宅地が舞台のミステリー仕立てのブラック・ユーモア。一瞬だがユアン・マクレガーが「ウィッカーマン」のビデオを観るシーンがある。 ウィッカーマン The Wicker Man ![]() ![]() ![]() 1973年 イギリス 88分/102分 R ロビン・ハーディ監督 エドワード・ウッドワード クリストファー・リー ブリット・エクランド ダイアン・シレント イングリッド・ピット リンゼイ・ケンプ 生贄を閉じ込めた巨大な人形が炎に包まれているスチルが、ケルト文明を解説した本によく使用されるので、古代ケルトに興味がある人でタイトルだけは知っているという人も多いだろう。「シャロウ・グレイブ」にユアン・マクレガーがこれのビデオを観るシーンがあるが、1994年夏に欧米でビデオが再リリースされたから、タイミング的には合う。今日では特にアメリカで評価がやたら高く、どのガイドでもmust seeの一品に推されているが、不本意なカットを施されたあげく、完成直後に配給会社が吸収合併されたりその後転売を重ね、オリジナルは散逸状態となった不幸な映画。スコットランドの孤島で起きた少女失踪事件の捜査のために本土から警部が単身やって来るが、島民は捜査に協力せず、不道徳で反キリスト教的な行動の数々が敬虔なクリスチャンの警部を悩ませる。少女の失踪は豊作祈願の生贄を島におびき寄せるための罠で、警部はまんまと火あぶりにされる、というチープなスリラー。そのうえ撮影当時妊娠3か月だったというブリット・エクランドが悩ましげに歌いながら全裸で踊るシーンや、かたつむりの交尾シーン(ロングバージョンのみ収録)、裸の少女達が怪しげな宗教儀式をするシーンがあり、大人の娯楽映画だ。英国で広く祝われてきた5月祭(メイデイ)が、じつはキリスト教以前のケルトの太陽神崇拝(ベルテイン)に起源していることが、島の殿様役のクリストファー・リーの説明や、楽しげな異教の祭の再現?で明かされる。キリスト教徒の警部の眼を通して現代に生き残ったケルトの信仰を邪教扱いにしつつも、その反面、フリーセックスやキリスト教社会の規律に縛られない自由を賛美するような、70年代という時代の勢いを感じさせる。フラワー・チルドレン風にけだるいフォーク調の歌や、中世の世俗歌、ハーディガーディの演奏など、音楽も楽しめる。ダンフリース、ギャロウェイ、Whithorn島でロケ。ダイアン・シレントは当時ショーン・コネリーと結婚していたが離婚、後にこの映画の原作・脚本を書いたアンソニー・シェファーと再婚した。シェファーには他に「探偵スルース」(ローレンス・オリヴィエとマイケル・ケインの緊張した2人芝居で文字通りの演技バトルが見られる)というカルト作品があり、スリラーと祝祭的な要素の取り合わせから構築される、おもちゃ箱をひっくり返したような演劇的空間の異様さは彼の持ち味らしい。【マン】
アンタッチャブル The Untouchables ![]() ![]() 1987年 アメリカ 119分 R ブライアン・デ・パルマ監督 ケヴィン・コスナー ショーン・コネリー チャールズ・マーティン・スミス アンディ・ガルシア ロバート・デ・ニーロ リチャード・ブラッドフォード ジャック・ケホー ブラッド・サリヴァン ビリー・ドラコ パトリシア・クラークソン シカゴのナポリ系ギャングの大ボスとして知れ渡ったアル・カポネだが、生まれ育ちはニューヨークのブルックリン。カポネが19歳で結婚したのは隣の街区に住んでいた2歳年上のメイ・カフリンという中産階級のアイルランド系移民の娘で、彼は彼女にベタ惚れで一生添い遂げるのだが(情婦は数えきれないほどいた)この映画にメイは登場しない。カポネが支配した当時のシカゴは汚職天国で、アイルランド系で占められた警察も市政も完全にカポネに手なずけられた。さて映画だが、絶対に買収されないアイルランド系警官ジミー・マローンの役でショーン・コネリーはアカデミー助演男優賞を取った。強いアイルランド訛を生かした抑え気味の演技で、主役のケヴィン・コスナーを完全に食った。【マン】 ザ・ロック The Rock ![]() ![]() 1996年 アメリカ 135分 R マイケル・ベイ監督 ショーン・コネリー ニコラス・ケイジ エド・ハリス ジョン・スペンサー デヴィッド・モース ウィリアム・フォーサイス ショーン・コネリー演じる元英国諜報員ジョン・パトリック・メイソン(コネリーより先にジェームズ・ボンド役の候補に上がったパトリック・マッグーハンとジェームズ・メイソンを足して割ったような名前だ)もまたスコットランド系あるいはアイルランド系キャラクターだという証拠に、傍迷惑なカーチェイスのあげく娘と出会うシーンで、バックにそれっぽいメロディが流れちゃうのだ。【マン】 テロリストがショーン・コネリーに「イギリス野郎め! 俺はアイルランド人だ」と言うセリフがありましたが、ここでコネリーさんに「残念だったな。俺はスコテッシュだ」とでも言って欲しかったです。【erin】 男の闘い The Molly Maguires ![]() ![]() ![]() ![]() 1970年 アメリカ 123分 マーティン・リット監督 ショーン・コネリー リチャード・ハリス サマンサ・エッガー フランク・フィンレイ アート・ランド アンソニー・コステロ 19世紀末のペンシルヴァニア州の炭鉱を舞台に、実際に起きた大規模な冤罪事件を、アイルランド系労働者に対する同情たっぷりに描く。資本家側のスパイとして潜入した私立探偵(detective が字幕で「刑事」と訳されたのは正確ではない、実際にはピンカートン探偵社の社員)マッケンナ(リチャード・ハリス)が、テロで資本家転覆を企むアイルランド系炭鉱夫の秘密結社モリー・マグワイヤのリーダーと目されるジャック・キーオウ(ショーン・コネリー)と対決する。同じ移民でも、ウェールズ系の警官がアイルランド系の炭鉱夫に威張り散らしたり、映画の中では序列がある。史実では、炭鉱の所有者であるレディング鉄道の社長は、カトリック教育を受けたアイルランド移民2世、ピンカートン探偵社の社長もスコットランド移民1世で、アングロ・サクソン系の資本家がケルト系移民の労働者を搾取する、という単純な民族差別の構図は、移民国家アメリカには必ずしも当てはまらないことがわかる。詳しくはアイルランド文化研究会で発表済み。【マン】 カジノロワイヤル (007 カジノロワイヤル) Casino Royale ![]() ![]() ![]() 1967年 イギリス 130分 ジョン・ヒューストン、ケン・ヒューズ、ロバート・パリッシュ、ヴァル・ゲスト、ジョゼフ・マッグラス監督 ピーター・セラーズ ウルスラ・アンドレス デヴィッド・ニーヴン オーソン・ウェルズ ウディ・アレン デボラ・カー ウィリアム・ホールデン ジョン・ヒューストン ジャン・ポール・ベルモンド ジャクリーン・ビセット、リチャード・バートン イアン・フレミングの原作小説は1953年の「カジノロワイヤル」がシリーズ第1作、54年にアメリカでテレビ・ドラマ化された(主役はバリー・ネルソン)。60年にイーオン社のプロデューサー、ハリー・サルツマン(アルバート・ブロッコリの同僚)が007シリーズの映画化権をまとめて買いに来た時、フレミングは「カジノロワイヤル」の権利をたった6000ドルでグレゴリー・ラトフに売って新車を購入した後の祭だった。イーオン社はフレミングの第6作め「ドクター・ノオ」から着手したのが62年。ラトフの死後転々とした「カジノロワイヤル」は、当初企画されたショーン・コネリーの出演は取り消され、路線変更を余儀なくされて、今日見るようなゴージャスにして珍妙なコメディになった。スコットランドのズッコケ・シーン(実際のロケ地はアイルランド)の監督はジョン・ヒューストンが担当。本人もMことマクタリーの役で登場する。マクタリー家のにせ未亡人がわざとらしいハイランド訛で笑わせるが、役の上では本当はフランス女ということになっているデボラ・カーは、本当の本当はスコットランド人なのだ。引退したジェームズ卿(デヴィッド・ニーヴン、彼もスコットランド出身)の代わりに何人もの007がスカウトされ、バカラの名人ピーター・セラーズがニーヴンの屈折した甥ウディ・アレンを追い詰める。ニーヴンはイアン・フレミング自身がジェームズ・ボンド役にと強く望んでいたらしい。フレミングは最後までショーン・コネリーを気に入らず、コネリーもまたボンドを演じ続けることに疲れ果てた。フレミングが生み出したジェームズ・ボンド像はhttp://www.mcs.net/~klast/www/jb_obit.htmlに詳しいが、スコットランド人の父とスイス人の母から生まれたという設定。【マン】
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